高齢者の不安につけこむ還付金詐欺

2000年代の始め頃から目立つようになってきた詐欺の手口に還付金詐欺があります。
還付金詐欺とは、「返金するお金がある」という内容の電話が突然かかってきて言うとおりにしていると個人情報を聞き出されたりATMで振込を誘導されたりするというものです。

警察庁の調査によると、2007年に還付金詐欺として報告された被害件数は約2,500件であったのに対し、2008年には4,500と約二倍に増えており、その後も現在に至るまで右肩上がりで増え続けています。

主なターゲットにされているのは高齢者で、社会保障制度に対しての不安が高まる中「お金がもらえます」という甘い言葉をかけることで逆に預貯金を引き出させようとしてきます。

手口としてはまずある日突然に自宅に税務署や社会保険庁の職員を名乗る人間から電話があり、「税金の還付金がありますので、今すぐキャッシュカードを持ってATMに行って下さい」と誘導をしてきます。

高齢者が狙われやすいのは、社会保障制度に関しての不安が大きいということと、ATMの操作に慣れていないからです。

ATMがそもそもどういうものかということがよくわかっていないこともあり、電話で言われたとおりに素直に指示をしているといつの間にかお金が犯人の口座に振り込まれてしまっていたということも珍しくありません。

複雑な手続きも「還付金を得るために必要だ」というふうに説明をされるとそういうものだと思いこんでしまいます。

インターネットが普及される前までは個人情報の取扱が非常にゆるい基準で行われていましたので、高齢世代になるほど個人情報を明かすことに抵抗感がないということも被害が拡大する理由です。

公的機関の職員がATMに誘導することはありません

こんなに還付金詐欺についての危険性が伝えられるようになった現在になってなぜまだ引っかかるのかと思う人もいるかもしれませんが、詐欺グループは年々新しい方法を使用し言葉巧みに騙しにかかってきています。

例えば電話で「年金制度が変わったので還付金を支払う。キャッシュカードを持って銀行に行って」と指示をしてまず銀行などのATMの前にまで行かせます。

そこで最初にATM画面を英語に切り替えさせ、預金残高を表示させるように指示をしてきます。
自分の現在の預金残高を正確に覚えている人はそうそういませんので、知らないうちに詐欺グループに自分の預貯金額を教えることになってしまいます。

巧妙なのがその数字を残高とわからせないように右から数字を読むように指示をしたりすることです。

その金額を踏まえた上で英語表示のまま「振込」ボタンを押させるので、気がついたときには残高がほぼ全部抜き取られていたという被害が発生します。