自動音声による架空請求

手の込んだ新手の架空請求詐欺

2016年頃から急激に増えてきている新手の架空請求詐欺として「自動音声ガイダンス詐欺」があります。

これは見知らぬ番号から突然固定電話や携帯電話に着信があり、電話を取るといきなり自動音声ガイダンスが流れ出すというものです。

自動音声ガイダンスの内容はいくつかのパターンがあり、NTT東日本を装うものを代表に、郵便局や架空の有料コンテンツ会社を名乗る場合があります。

NTT東日本を騙ったタイプでは、まず電話がかかってきたときには自動音声ガイダンスで「電話料金の返還をする」といった内容のことが説明されます。

そこで最後のダイヤルの「9」を押すように指示をされるので、言うとおりにするとそこからは人間のオペレーターに切り替わります。

すると言葉巧みにATMにまで誘導しお金を振り込ませようとしたり、個人情報を聞き出そうとしてきます。
音声ガイダンスがかかってくる電話番号は非通知の場合もあれば050から始まるIP電話であることもありケースはさまざまです。

いずれにしてもNTT東日本や郵便局といったところが突然顧客に音声ガイダンスを使用して電話をかけるということはありませんので、かかってきたらまず詐欺を疑い絶対に指示に従わないようにしましょう。

なぜ音声ガイダンスが使用されるのか

電話を使った架空請求詐欺はかなり以前からありましたが、音声ガイダンスを使用した例はごく最近になって登場してきた手口です。

そもそもなぜ音声ガイダンスなのかというと、これは今時の企業への電話サポートのほとんどが音声ガイダンスを使用してることから、かかってきたときになんとなく安心できるという錯覚を与えることができるからです。

有料コンテンツの未払いを理由に架空請求をするケースにおいては、「料金の確認」と「強制執行の停止」というようにボタンを押し分けさせるという手の込んだことをさせることもあるようです。

もちろんこれはどちらを押してももともと全く根拠のない請求ですから、結局は言葉巧みに金銭の振込を誘導してきます。

また音声ガイダンスを使用することにより、電話をかける詐欺グループが直接相手をする人間を絞りこめるということもあります。

詐欺電話はすぐにそれとわかった瞬間ほとんどの人はそこで即切りしますが、中には騙されやすかったり見に覚えがあったりしてついつい最後まで話しを聞いてしまう人もいます。

自動音声ガイダンスを電話の最初に導入することで最初の入口で引っかかりやすい人だけを選別することができるので、詐欺の成功率が上がってしまうのです。

怪しいと思ったらまず電話をその場で切り、かかってきた電話番号を国民生活センターなどのサイトで確認してみるようにしましょう。

ランサムウェアウイルス

世界中が大混乱に陥ったランサムウェアウイルス攻撃

「ランサムウェアウイルス」とは、別名「身代金要求型ウイルス」とも言われる近年急増しているタイプのコンピューターウイルスです。

トレンドマイクロ社による調査では、日本国内だけで報告されたランサムウェアの検出台数は2015年には6,700件であったところ、2016年には65,400件と十倍近くにまで跳ね上がっています。

2017年には独立法人情報処理推進機構(IPA)による「情報セキュリティ10大脅威」の第2位にまで上昇しており、特に2017年5月に起こった世界規模のランサムウェアウイルス攻撃は社会混乱を引き起こす大事件になりました。

ランサムウェアウイルスの感染により病院内で患者の情報にアクセスをすることができなくなり手術が中断してしまうなど重大な影響も起こっています。

ランサムウェアウイルスにPCが感染をすると、まず画面がロックされてしまって端末の捜査ができなくなってしまい、さらに内部に保存されていた写真や文書などのデータが勝手に暗号化され、開けない状態になります。

そうした実質的に使用不可能になったパソコンに対し、犯人が身代金として金額を支払うように要求してきます。

指示通りに身代金を支払うと解除コードを教えてもらえるので一時的にデータが回復しますが、それで解除ができてもウイルスの感染が解消されるわけではありませんので、その後何度も同じように金銭を要求されることになってしまいます。

ランサムウェアウイルス対策では、まず感染しないようにしっかり防御対策をとっていくとともに、感染したからといって安易に金銭の要求に応じないようにするということが大切になります。

なおランサムウェアはWindowsパソコンが最も多く標的になっている一方で、スマホでの感染例も確認されています。

その他にもMac(iOS)環境でも感染した例が世界的に見られているので、どの端末であっても絶対に安全ということは言えません。

ランサムウェアへの防御対策は決して難しくない

ランサムウェアウイルスは強力な感染力を持つものですが、予防対策は決して難しいものではありません。
実際2017年5月に大流行したものではWindowsの最新OSバージョンを使い、最新アップデートをしていれば感染することはありませんでした。

有効な防御対策としては「最新OSのアップデートを使用する」「ウイルス対策ソフトを導入し最新のパッチを当てる」「不自然なメールの添付ファイルを開かない」ということが挙げられます。

これを徹底するだけでもかなりの割合で防ぐことができるので、毎日のパソコン使用時に面倒がらずきちんと対策していきましょう。

押し花レンタル詐欺

「必ず儲かる」に隠されている大きな落とし穴

アベノミクスが始まってから最も多くの資金が流入されるようになったのが「不労所得」に関する投資です。
「不労所得」とは読んで字のごとく働かなくても得られる収入のことで、代表的なものに「不動産ビジネス」や「水ビジネス」があります。

しかし残念なことにそうした不労所得による濡れ手で粟ビジネスというのは必ず全ての人が成功するわけではありません。

それどころか口八丁で不労所得ができると巧みな営業トークをし、実質的にはほとんど儲かる可能性のないような投資先にお金を出すように勧誘するというような詐欺グループも数多く存在しています。

こうしたものをまとめて「出資詐欺」といいますが、ここ近年に大きな事件として伝えられたものの一つに「押し花レンタル」があります。

押し花レンタル詐欺事件で逮捕をされたのは都内の押し花教室運営会社「フラワーライフ」の社長で、2012~2014年の間に顧客3人から事業への投資と称して約9000万円を集めたとされています。

詐欺の手口としては、まず出資者に会社で所有している押し花や加工花を購入するように勧誘します。
そして購入したことになっている作品を全国の百貨店にレンタルすることでその一部を出資者に還元するという配当方法をうたいました。

実際の刑事告訴に至ったのは上記の9000万円ですが、実際には約60億円を荒稼ぎしたということも判明しており、新聞広告を通じて全国から出資者を集めていたというのですから驚きです。

法制度の裏を突いて発覚までの時間稼ぎ

正直なところこの「押し花レンタル詐欺」という事例はこれまでも数多くあった出資詐欺の手口と比較すると、やり方も杜撰で到底長続きできるような方法ではありませんでした。

にも関わらず事件発覚までに時間がかかり、被害額が莫大なものになってしまった背景には、偶然とは言え法の裏をかいくぐることができていたということが挙げられます。

通常こうした出資詐欺は最初こそ威勢のよいことを言って気前よく配当も支払うのですが、ある程度まで時期が経過するとそれ以上資金を集めることができずにすぐに不払いが続くようになります。

しかしながらこの「押し花レンタル詐欺」においては「資金繰りが厳しくなったので配当ができません」という理由をもっともらしく出資者に伝達しており、そうした「少額でも返金をする」という姿勢を早くから見せていたことがはっきり詐欺としての摘発を受けることを回避する理由になっていたようです。

実際フラワーライフに警察の捜査が入ってから逮捕に至るまでは1年以上もの期間が経過しており、今後の出資ビジネスの危険性を表に出した事例と言ってもよいでしょう。

「DMM」偽メール架空請求

未だなくなる気配のない「架空請求」詐欺

架空請求による詐欺事例はインターネットの普及とともに急激に広がっていった深刻な事例です。
問題が大きく取り上げられるようになったのは2002年のことで、国民生活センターが初めて公に架空請求による詐欺事例が増えていることを伝えたところ、若い世代を中心に多くの被害報告がされるようになりました。

発覚当時から定番の手口となっていたのはアダルトサイトや出会い系サイトなど有料コンテンツを扱うサイトからの利用料請求です。

やり方としてはまず収集したメールアドレスに向けて「利用料や登録料が未納になっています。指定の期日までに払込がない場合、法的手続きに移行します」といった一方的なメッセージが送られるというのが一般的です。

発生が確認されてから既に15年以上も経過しているにも関わらず、全く同じ手口の詐欺事例は減ることはなく、逆に突発的に急増するといったことが繰り返されています。

ここ近年で最も大きな騒ぎになった架空請求事例として「DMM偽メール」があります。
こちらは有名な大手動画サイトである「DMM.com」から従来同様の架空請求メールが不特定多数に送信されたという事件です。

結果的に2017年2月に犯人グループが東京都で5人、埼玉県で3人逮捕されたことにより一応の収束となりましたが、被害額は10億円以上にもなるという計算もされており、ここ近年で最大の架空請求詐欺事件となっています。

なぜここまで被害が拡大してしまったのか

架空請求メールはネットを通じて行われるごくありふれた詐欺の手口であることから、おそらく年代を問わずほとんどの人がそのやり方を知っていることと思います。

にも関わらずなぜここまで被害が拡大をしてしまったかというと、それは新しく登場してきたネットサービスが背景にあります。

まず「DMM.com」はスマホ向けゲームを提供しているIT企業の中でも特に勢いのある会社です。
代表作として「刀剣乱舞」や「艦隊これくしょん」「グランブルーファンタジー」などアニメ化もされた数多くの有名作品が挙げられます。

同時にスマホやパソコン向けのアダルト動画サイトも運営しており、スマホを所有している全ユーザーのうち、DMMに関連しているサービスを全く利用したことがないという人が少なかったということがあります。

また請求方法として銀行振込ではなく、コンビニで購入できるギフトカードを指定しているというところも特徴的です。

ギフトカードを使って支払いを促す方法は近年増えてきていますが、送金方法が簡単なのと自分でもスマホゲームの課金によく使用しているため詐欺への支払いへの心理的ハードルを下げているということが伺えます。

電子マネーが目的の詐欺

若者を中心に被害拡大

電子マネーを利用した詐欺というのは、高齢者ではなく若者を中心に拡大している詐欺事件です。

参考:若者も被害続出!最新詐欺手口が巧妙化している – Spotlight (スポットライト)

電子マネーを狙っているのだから、事件発覚まで時間がかからないと思っている人は多いのですが、そのことも理解した上で犯罪者は犯罪を行っています。
というのも、電子マネーのほうが現金よりも中々犯罪が発覚しづらいという特徴があるからです。
例えば、100万円を騙しとったAという人物と、1万円を100回騙しとったBという人物を想定してください
どちらのほうが犯罪者として克明に見えますか?

実際に事件に関与してみるとわかりますが、Aという人物のほうがすぐに捕まります。
というのも、Aという人物が行った犯罪は多大な迷惑、被害として被害者は認知するからです。
しかし、Bという人物が行っている犯罪の場合、どこかでお金を返してもらえる、もしくは自分は騙されていないと思ってしまう人物もいるため、事件が中々発覚しないのです。
このような心理を利用して若者を狙っている犯罪者がいると理解し、安易に高額の電子マネーを持たないほうが賢明でしょう。

それと、先ほどの複数回にわたって相手からお金を騙し取れる理由に、電子マネー特有のリスクが存在します。
それは、電子マネーであれば電子マネー専用のサイトを見ない限りは、勝手に引き出されているか不明という点です。
財布の中からお金が急に無くなるわけではないため、あまり電子マネー専用のサイトを見ない人物では、全額を引き出されてしまう恐れもあります。

取引は数分で終わる!?

電子マネーの取引は数秒で終わりますが、犯罪に用いられている取引も数分で終わってしまうので注意してください。

主な犯行の手口では、「カードの番号を教えてください。その後、カードの代金を支払います」というものが多いです。
この行為は相手に現金を素早く渡している行為と変わりません。
つまり、取引終了後は一切の代金支払いに応じず逃げてしまえば良いのです。
警察に通報したとしても、相手は余裕をもって逃げることができますし、支払いを翌日の午前と言っておけば、疑われない限りは犯罪が露見するリスクもありません。

電子マネーは1000円単位で購入できるものが多いため、もし購入する時は生活に必要な分と割り切っていきましょう。
実際に騙される人の多くは、生活のほとんどを電子マネーに頼っている人が多いため、若者ほど電子マネーを利用した詐欺に遭いやすいのです。

若者の夢につけこむ詐欺

誘い出しが多い

今回ご紹介する詐欺は、若者に人気のSNSを使った詐欺事件です。
国内でも約1000人以上が被害にあっているとして有名になりましたが、総額では約10億円の被害が出ている詐欺事件でもあります。

参考:若者の夢を食い物にするSNS詐欺

SNS詐欺とは、どのような詐欺なのかを案内していきますが、詐欺の手口が多岐にわたりすぎているので、今回は有名なもののみ案内させていただこうと思います。

まずSNS詐欺で最も多いのは夢を語る詐欺です。
人によっては、SNSで「同じ趣味の人」と付き合っている人はいるでしょう。
そのような人を狙って一般会員のふりをし、最終的に夢を叶えてくれる人物として出会いませんか・・・と連絡を受けるのが、SNS詐欺の大きな特徴です。
念願かなってそのような人物に出会えた、有名なプロダクションに所属しているという人らしいから信用して良いかも、ということでこの誘い出しに載ってしまう人はいます。

ですが、このような人と出会っても状況は一切進展しません。
誘い出した後、仲良くなってからは「お金の話」ばかりが口から飛び出る流れとなっているからです。
良く出てくるものでは、「自分は紹介役としても働いているから、良ければ数万円で有名なプロダクションを紹介するよ」という話が良く出てくるでしょう。
ただ、このような人物ほど自分の背後関係を知られると困るため、実際にどのような人物であるか聞いてみると、簡単にSNS詐欺に引っかからずに済むこともあります。

ただし、このSNS詐欺には発展形があるので注意してください。
プロダクションも含めて偽りなのに、SNS詐欺のために特定の人物を騙すという手口も存在するのです。
プロダクションのようなものは存在しますので、それを信じてしまい騙される若者も世の中にはいます。

長く騙し取られることも

SNS詐欺でもそうですが、若者の夢につけこむ詐欺というのは1回だけでは終わらないことが多いです。

「今回は紹介してもダメだったけど、別のプロダクションなら・・・」ということで、また紹介料を騙し取られる人もいるからです。
ただ、このような紹介を行っている人物は、この相手であれば何度でも騙し取れると思っているので、早い段階で警察に通報しておくと逮捕できることもあります。
わざと悩んでいるふりをして、警察に事情を説明しておくと身の安全を確保できるのです。
警察を頼りにするのは嫌という人も、他に頼りになる人物がいない場合は警察を頼りにしたほうが無難でしょう。