情報商材・学習教材詐欺

訪問販売による教材詐欺事件

ここ近年で最も大きく報じられた学習教材詐欺事例として、小中高校生向けの学習塾である「ブレス」を運営していたエフォートカンパニー事件があります。

エフォートカンパニーは東京都を中心に運営をしていた会社で、学習塾運営の他に教材販売も行っていました。
しかし2015年11月末頃に急に事務所と連絡がとれなくなり、実質的な破綻状態になっていたことがわかりました。

被害者は首都圏内に200名以上、中には300~400万円ものクレジット契約を結ばされていた事例もあり、事件発覚前に会社社長と塾長経営者が逃げたということで大きな詐欺事例として報道されることとなりました。

エフォートカンパニーが用いていたのは「モニター商法」と言われる手口で、最初は無料もしくは格安で高額商品の購入ができるとうたい、結果的に高額のローンを押し付けるという方法でした。

最初にエフォートカンパニーは保護者に対し「学習教材のモニター契約をすれば教材の金額は会社が肩代わりする」といった説明をし、クレジット会社に対して数百万もの契約をさせています。

ローンを組むときには信販会社から契約内容についての問い合わせがあるのですが、それに対しても全て「はい」と答えておけばあとで支払うかのようなことを言い巧みに教材購入を促してきました。

こうしたモニター商法を取り始めたのは2015年4月以降の急激に経営が悪化してからで、実際に教材を手渡していないにも関わらず多額の金銭を受けるという方法で資金の水増しを行っていました。

学習教材詐欺はこうした子供向けの教材で行われることが多いのでですが、成人向けの習い事としての英会話教材や資格教材でも同様の詐欺が報告されています。

投資・ギャンブルに多い情報商材

インターネットが普及したことにより、被害が拡大した詐欺の一つに情報商材詐欺があります。
情報商材とはお金を支払うことで通常では得ることができない重要な情報・ノウハウを得られるようにするというものでです。

古くは「競馬必勝法」や「パチンコ必勝法」といったようなギャンブルにおける秘密情報を扱う商売としてユーザーを獲得してきました。

現在ではネットを使ったビジネスに関する情報商材が増えているのが特徴で、「アフィリエイトで○億円稼ぐ方法」や「FX必勝法」といったような商材が販売されているものをよく見かけます。

情報商材詐欺の難しいところは、どこまでが詐欺であるかがはっきり線引されないということです。
受け取った情報に価値があるかどうかは簡単に決めることができませんので、かりにインチキやウソを書いた内容でも読んだ人が価値があると思えばそれは詐欺ではなくなってしまいます。

結婚詐欺

悪質業者は魅力的な人間が多い?

詐欺の手口として相当昔から存在してきたのが結婚詐欺です。
ここ近年に大事件になった事例だけを挙げても、2017年5月10日に死刑判決が確定したことで知られる木嶋佳苗被告や、2015年末に詐欺と恐喝で逮捕をされた嶋崎司被告がいます。

他にも結婚詐欺によって逮捕をされたというニュースは数多く伝えられており、報道されないものを含めて被害はかなり大きいと思ってよいでしょう。

世間的なイメージとして「結婚詐欺をするような人間はとても容姿がよく、異性にモテまくるような人間なのだろう」と思われがちですが、実際の被害事例を見ると必ずしもそうとは言い切れない部分があります。

例えば連続不審死事件によって逮捕・起訴された木嶋佳苗被告などは、美女とは言い難い容姿にも関わらず何人もの男性を手玉にとってきたということで非常にセンセーショナルに報道されました。

ただし「モテる人が結婚詐欺をする」というイメージもあながち間違いというわけではありません。
結婚詐欺をはたらく人というのは男性・女性ともに自分の魅力をよく知っているということで共通しています。

また現代人にありがちな孤独感や焦燥感、捨てられることへの恐怖といった人の弱みを上手に見抜き、つけ込んでいくという能力に長けています。

むしろ「早く結婚したい」「ずっと一緒にいてくれる人が欲しい」といった人にとっては、モデルや芸能人のような美男・美女よりも親しみのある人の方が魅力的に映ることがあります。

プロの結婚詐欺師になるとそうした結婚に焦る人が集まる場所を漁場として見つけ、次々と釣り針を垂らしていく行動をとります。

「金銭問題のせいで結婚できない」は常套句

結婚詐欺の手口として古典的とも言える方法が、「金銭問題があるので結婚ができない」という相談です。

婚活パーティーや出会い系オフ会に出席をし、そこで恋愛経験がなさそうな内気なタイプの人を選んで積極的にアプローチをします。

最初のうちは非常に態度もよく、明るくて積極的にリードをしてくれることからついつい「運命の人かも」といった錯覚を起こしてしまいます。

しかしある程度付き合いが深くなってくると、結婚の話をしようとすると落ち込むような仕草を見せるようになります。

このとき自分からお金の話をしないというのがポイントで、悩みを聞き出させることにより自然にお金の問題を提示してきます。

「実家に借金がある」「家族が難病だ」といったことで数百万単位で金銭を要求し、それが解決すればすぐにでも結婚ができると言って何度も同じようにお金を出させていくというのがよくある手口です。

また預貯金や資産が空っぽになったタイミングで都合よく海外に出張になったりして姿を消すというのもパターンです。

還付金詐欺

高齢者の不安につけこむ還付金詐欺

2000年代の始め頃から目立つようになってきた詐欺の手口に還付金詐欺があります。
還付金詐欺とは、「返金するお金がある」という内容の電話が突然かかってきて言うとおりにしていると個人情報を聞き出されたりATMで振込を誘導されたりするというものです。

警察庁の調査によると、2007年に還付金詐欺として報告された被害件数は約2,500件であったのに対し、2008年には4,500と約二倍に増えており、その後も現在に至るまで右肩上がりで増え続けています。

主なターゲットにされているのは高齢者で、社会保障制度に対しての不安が高まる中「お金がもらえます」という甘い言葉をかけることで逆に預貯金を引き出させようとしてきます。

手口としてはまずある日突然に自宅に税務署や社会保険庁の職員を名乗る人間から電話があり、「税金の還付金がありますので、今すぐキャッシュカードを持ってATMに行って下さい」と誘導をしてきます。

高齢者が狙われやすいのは、社会保障制度に関しての不安が大きいということと、ATMの操作に慣れていないからです。

ATMがそもそもどういうものかということがよくわかっていないこともあり、電話で言われたとおりに素直に指示をしているといつの間にかお金が犯人の口座に振り込まれてしまっていたということも珍しくありません。

複雑な手続きも「還付金を得るために必要だ」というふうに説明をされるとそういうものだと思いこんでしまいます。

インターネットが普及される前までは個人情報の取扱が非常にゆるい基準で行われていましたので、高齢世代になるほど個人情報を明かすことに抵抗感がないということも被害が拡大する理由です。

公的機関の職員がATMに誘導することはありません

こんなに還付金詐欺についての危険性が伝えられるようになった現在になってなぜまだ引っかかるのかと思う人もいるかもしれませんが、詐欺グループは年々新しい方法を使用し言葉巧みに騙しにかかってきています。

例えば電話で「年金制度が変わったので還付金を支払う。キャッシュカードを持って銀行に行って」と指示をしてまず銀行などのATMの前にまで行かせます。

そこで最初にATM画面を英語に切り替えさせ、預金残高を表示させるように指示をしてきます。
自分の現在の預金残高を正確に覚えている人はそうそういませんので、知らないうちに詐欺グループに自分の預貯金額を教えることになってしまいます。

巧妙なのがその数字を残高とわからせないように右から数字を読むように指示をしたりすることです。

その金額を踏まえた上で英語表示のまま「振込」ボタンを押させるので、気がついたときには残高がほぼ全部抜き取られていたという被害が発生します。

自動音声による架空請求

手の込んだ新手の架空請求詐欺

2016年頃から急激に増えてきている新手の架空請求詐欺として「自動音声ガイダンス詐欺」があります。

これは見知らぬ番号から突然固定電話や携帯電話に着信があり、電話を取るといきなり自動音声ガイダンスが流れ出すというものです。

自動音声ガイダンスの内容はいくつかのパターンがあり、NTT東日本を装うものを代表に、郵便局や架空の有料コンテンツ会社を名乗る場合があります。

NTT東日本を騙ったタイプでは、まず電話がかかってきたときには自動音声ガイダンスで「電話料金の返還をする」といった内容のことが説明されます。

そこで最後のダイヤルの「9」を押すように指示をされるので、言うとおりにするとそこからは人間のオペレーターに切り替わります。

すると言葉巧みにATMにまで誘導しお金を振り込ませようとしたり、個人情報を聞き出そうとしてきます。
音声ガイダンスがかかってくる電話番号は非通知の場合もあれば050から始まるIP電話であることもありケースはさまざまです。

いずれにしてもNTT東日本や郵便局といったところが突然顧客に音声ガイダンスを使用して電話をかけるということはありませんので、かかってきたらまず詐欺を疑い絶対に指示に従わないようにしましょう。

なぜ音声ガイダンスが使用されるのか

電話を使った架空請求詐欺はかなり以前からありましたが、音声ガイダンスを使用した例はごく最近になって登場してきた手口です。

そもそもなぜ音声ガイダンスなのかというと、これは今時の企業への電話サポートのほとんどが音声ガイダンスを使用してることから、かかってきたときになんとなく安心できるという錯覚を与えることができるからです。

有料コンテンツの未払いを理由に架空請求をするケースにおいては、「料金の確認」と「強制執行の停止」というようにボタンを押し分けさせるという手の込んだことをさせることもあるようです。

もちろんこれはどちらを押してももともと全く根拠のない請求ですから、結局は言葉巧みに金銭の振込を誘導してきます。

また音声ガイダンスを使用することにより、電話をかける詐欺グループが直接相手をする人間を絞りこめるということもあります。

詐欺電話はすぐにそれとわかった瞬間ほとんどの人はそこで即切りしますが、中には騙されやすかったり見に覚えがあったりしてついつい最後まで話しを聞いてしまう人もいます。

自動音声ガイダンスを電話の最初に導入することで最初の入口で引っかかりやすい人だけを選別することができるので、詐欺の成功率が上がってしまうのです。

怪しいと思ったらまず電話をその場で切り、かかってきた電話番号を国民生活センターなどのサイトで確認してみるようにしましょう。

ランサムウェアウイルス

世界中が大混乱に陥ったランサムウェアウイルス攻撃

「ランサムウェアウイルス」とは、別名「身代金要求型ウイルス」とも言われる近年急増しているタイプのコンピューターウイルスです。

トレンドマイクロ社による調査では、日本国内だけで報告されたランサムウェアの検出台数は2015年には6,700件であったところ、2016年には65,400件と十倍近くにまで跳ね上がっています。

2017年には独立法人情報処理推進機構(IPA)による「情報セキュリティ10大脅威」の第2位にまで上昇しており、特に2017年5月に起こった世界規模のランサムウェアウイルス攻撃は社会混乱を引き起こす大事件になりました。

ランサムウェアウイルスの感染により病院内で患者の情報にアクセスをすることができなくなり手術が中断してしまうなど重大な影響も起こっています。

ランサムウェアウイルスにPCが感染をすると、まず画面がロックされてしまって端末の捜査ができなくなってしまい、さらに内部に保存されていた写真や文書などのデータが勝手に暗号化され、開けない状態になります。

そうした実質的に使用不可能になったパソコンに対し、犯人が身代金として金額を支払うように要求してきます。

指示通りに身代金を支払うと解除コードを教えてもらえるので一時的にデータが回復しますが、それで解除ができてもウイルスの感染が解消されるわけではありませんので、その後何度も同じように金銭を要求されることになってしまいます。

ランサムウェアウイルス対策では、まず感染しないようにしっかり防御対策をとっていくとともに、感染したからといって安易に金銭の要求に応じないようにするということが大切になります。

なおランサムウェアはWindowsパソコンが最も多く標的になっている一方で、スマホでの感染例も確認されています。

その他にもMac(iOS)環境でも感染した例が世界的に見られているので、どの端末であっても絶対に安全ということは言えません。

ランサムウェアへの防御対策は決して難しくない

ランサムウェアウイルスは強力な感染力を持つものですが、予防対策は決して難しいものではありません。
実際2017年5月に大流行したものではWindowsの最新OSバージョンを使い、最新アップデートをしていれば感染することはありませんでした。

有効な防御対策としては「最新OSのアップデートを使用する」「ウイルス対策ソフトを導入し最新のパッチを当てる」「不自然なメールの添付ファイルを開かない」ということが挙げられます。

これを徹底するだけでもかなりの割合で防ぐことができるので、毎日のパソコン使用時に面倒がらずきちんと対策していきましょう。

押し花レンタル詐欺

「必ず儲かる」に隠されている大きな落とし穴

アベノミクスが始まってから最も多くの資金が流入されるようになったのが「不労所得」に関する投資です。
「不労所得」とは読んで字のごとく働かなくても得られる収入のことで、代表的なものに「不動産ビジネス」や「水ビジネス」があります。

しかし残念なことにそうした不労所得による濡れ手で粟ビジネスというのは必ず全ての人が成功するわけではありません。

それどころか口八丁で不労所得ができると巧みな営業トークをし、実質的にはほとんど儲かる可能性のないような投資先にお金を出すように勧誘するというような詐欺グループも数多く存在しています。

こうしたものをまとめて「出資詐欺」といいますが、ここ近年に大きな事件として伝えられたものの一つに「押し花レンタル」があります。

押し花レンタル詐欺事件で逮捕をされたのは都内の押し花教室運営会社「フラワーライフ」の社長で、2012~2014年の間に顧客3人から事業への投資と称して約9000万円を集めたとされています。

詐欺の手口としては、まず出資者に会社で所有している押し花や加工花を購入するように勧誘します。
そして購入したことになっている作品を全国の百貨店にレンタルすることでその一部を出資者に還元するという配当方法をうたいました。

実際の刑事告訴に至ったのは上記の9000万円ですが、実際には約60億円を荒稼ぎしたということも判明しており、新聞広告を通じて全国から出資者を集めていたというのですから驚きです。

法制度の裏を突いて発覚までの時間稼ぎ

正直なところこの「押し花レンタル詐欺」という事例はこれまでも数多くあった出資詐欺の手口と比較すると、やり方も杜撰で到底長続きできるような方法ではありませんでした。

にも関わらず事件発覚までに時間がかかり、被害額が莫大なものになってしまった背景には、偶然とは言え法の裏をかいくぐることができていたということが挙げられます。

通常こうした出資詐欺は最初こそ威勢のよいことを言って気前よく配当も支払うのですが、ある程度まで時期が経過するとそれ以上資金を集めることができずにすぐに不払いが続くようになります。

しかしながらこの「押し花レンタル詐欺」においては「資金繰りが厳しくなったので配当ができません」という理由をもっともらしく出資者に伝達しており、そうした「少額でも返金をする」という姿勢を早くから見せていたことがはっきり詐欺としての摘発を受けることを回避する理由になっていたようです。

実際フラワーライフに警察の捜査が入ってから逮捕に至るまでは1年以上もの期間が経過しており、今後の出資ビジネスの危険性を表に出した事例と言ってもよいでしょう。