高齢者を狙う作品ビジネス

高齢者の趣味を狙った詐欺

定年退職後に、それまで我慢していた好きな趣味に打ち込むという高齢者の方はたくさんいます。
しかしそんな楽しいはずの趣味を狙って詐欺をしかける悪徳業者もいるので注意が必要です。
定年退職後に始める趣味としては、短歌や俳句といった創作系ものもよく選ばれており、資金に余裕のある人などは自費出版として自分史や小説を書くということもあるでしょう。
それまでは仕事一筋で創作活動を我慢してきた人にとっては、自分の想像力を思う存分発揮できるという状況はとても嬉しく、またやりがいのあるものです。
ですが、俳句・短歌の掲載雑誌で賞をとった人を狙って悪徳業者は話を持ちかけることもよくあります。

作品ビジネスとは

これまで実際に報告されてきた詐欺の事例として、一度雑誌の賞を受けた人に対して「別の雑誌に掲載をしたい」といって作品を集め、掲載料として多額の現金を集めるという方法があります。
実際には掲載する雑誌そのものが架空であったり、発行をしても少ない発行部数で販売もしていないということがほとんどです。
掲載料金を集めるときにも、単に雑誌の出版代金のみでなく、収益を募金する、ボランティアとして発行するといった名目にして、通常以上の高い金額を請求しているようです。
一度そうした手口にひっかかってしまった人のところには、同じような方法で話が持ちかけられることもよくあるようで、期間発行などと言われてなんとなく払い続けてしまっているというケースもしばしば見られます。
作品ビジネスのたくみなところは、本人の創作意欲や評価をうまく刺激してやめられないような状況を作り出すということです。
また、家族などにもお金の使い道を「創作のため」ということで発覚がしにくいという点もポイントです。
同人誌などを製作する場合にも、資金のみを集めて発刊しないという悪質な団体やグループがいるので、活動時には十分に気をつけるようにしてください。

絵画教室や陶芸教室を利用した例も

同じように、絵画教室や陶芸教室など趣味として何らかの作品を作る人をターゲットにしてくる類似の悪徳業者もいます。
なかなか判断の難しいことかもしれませんが、そうした作品ビジネスであるかどうかは、その発行企業の信頼性を十分に確認しておくようにしましょう。
最初の段階でいかにも大手出版社などの人間であるかのような名刺を使用したりすることもあるので、もし疑問があったらそれらに確認をしてみるようにしましょう。
趣味は趣味として、あまり欲を出すことなくほどほどの資金で楽しむというのが、一番の方法であるのかもしれません。

畳業者と悪徳商法

畳を売りつける悪徳商法

許せない悪徳業者ですが、最近また新しい手口の高齢者を狙った詐欺方法が出てきたようです。
今ではすっかり洋風住宅が一般的になりましたが、地方の高齢者世帯ではかなり築年数の古い日本住宅の家もたくさんあります。
そんな住宅を狙って行われるのが、畳を売りつけるという詐欺方法です。
畳業者は普通地域密着の小さな畳店などが製造や卸をしてきたものですが、今では畳の需要が落ち込んだことで街中に畳店を見かけることがほとんどなくなってしまいました。
畳詐欺はそんな見かけなさを利用したもので、畳を激安で販売するというチラシを古い日本住宅の家にポスティングなどし、高齢者しかいないことを確認しては訪問して口八丁で契約を促します。

粗悪品を高額で売りつける

通常であれば、商店街の畳屋さんではない業者からの売り込みなので怪しいと思うところですが、今は昔ながらの畳屋さんはどんどん店をたたんでおり、反対に「新興企業です」と名乗られてしまえばそうなのかなと思ってしまいます。
また、そうした詐欺企業は畳住宅を買い換えない高齢者の心理にもつけこんでいるので、新しい畳にすることで住宅環境がよくなるものと非常にうまく話を進めていきます。
ですが、そうした悪徳企業で販売される畳というのは大抵の場合中国産の粗悪品で、見た目こそ一見きれいそうに見えますが、少し使っているとすぐに色が黄色く変色をしてきたり、端からバラバラとほどけてきたりします。
畳は素人が見ても良い品であるかどうかはわかりづらいので、粗悪品とわかったときには既にその業者はいなくなってしまっていたというわけです。

すぐに契約しないこと

その他の訪問販売の手口と同じくそのような畳詐欺業者も、やたらと「今だけ」「この期間だから安くできる」といった煽り文句を言って、契約を急がせてきます。
特に危険なのは契約当日にすぐお金を集めたがるような場合で、納品時にも敷いた畳の微調整など行うようなことが言われません。
そもそもそのような詐欺的手口をする畳屋というのは、畳に対しての知識がまるでないので、「畳製作技能士」といった製作に携わる人の資格などの内容を理解していません。
畳詐欺にひっかからないためには、まずは激安なと怪しい文句でチラシを配布する企業に連絡するようなことは避け、もし訪問を受けてもできるだけ専門的な知識におよぶような話をしてみてください。
最も簡単な見分け方は、チラシに書いてある「今だけ」といった文句がきちんと期間が区切って提示されているかどうかを見ることです。

ここに注意!不動産購入の罠

被害額が大きい不動産購入詐欺

悪徳業者による詐欺的商法の中でも、特に被害額が大きくなりがちなのが不動産売買に関する契約です。
現在においてはかなり不動産物件の平均取引額は下落してきていますが、不動産業者から提示される条件を信じて契約をしてみたところ、実際にはかなり不都合があとからわかったというような不動産トラブルは決して少なくなったわけではありません。
むしろ、不動産取引の件数が減少している現在であるからこそ、なんとかして契約をしてもらおうとギリギリの手口で営業をするようになった不動産会社も増えてきていると言えます。
これから土地や建物を購入したいと考えるときには、その営業マンや不動産会社がきちんと信頼できるところであるかを確認するとともに、広告や提示条件に何か怪しい部分がないかチェックするようにしましょう。

自分にだけ上手い話が回ってくることはない

不動産の取引に関するトラブルのうち、非常によく聞かれるのが「掘り出し物」に購入に関するものです。
不動産取引においては、希望する地域や近隣の条件などと比較をして、少しでも条件のよい物件に人気が集中する傾向があります。
ですが普段から土地や建物に関する仕事をしているならいざ知らず、わずか数百メートルの距離の違いで著しく安くなる同等条件の物件や、窓の角度や他の建物の隣接の具合で価格が変化する物件があるという説明を受けても、その価格が本当に適正なものであるかは簡単には判断することができません。
不動産の購入をするときにまず心において置くべきなのは「自分だけに回ってくるうまい話はない」ということです。
例えば、なんとなく軽い気持ちで不動産展示会で個人情報を登録しておいたところ、数日後突然電話がかかってきて「今しか購入できない物件があります!」などと言われたらどうでしょうか。
どのような理由があるかはわかりませんが、それでも今日中に仮契約だけでもしておかないともう二度と手に入らないというような条件提示は、やはり疑ってかかった方がよいでしょう。

すぐに購入せずじっくり考えましょう

その掘り出し物が本当に適した価格であるかどうかの判断基準の一つとして、その営業マンが「やたらと契約を急がせる」「書面での契約文書の提示をしぶっている」というようなものが挙げられます。
特に、今日中に契約をしなければというように、ゆっくり考える時間を意図的に与えないようにしている企業は要注意です。
もし判断をしなければいけない限度期日があるのであれば、その理由をしっかりと聞き、ゆっくり考えた上で判断してきましょう。

注意が必要なおとり広告

おとり広告について

悪徳商法の中でも、比較的古典的な手口でありながら今もなお後を絶えないのが「おとり広告」による詐欺です。
おとり広告自体で詐欺的な取引をするわけではないので、実際に行われていても発見が難しいということも、完全になくならない原因の一つでしょう。
おとり広告とは、実際には誰かに販売するつもりのないような激安の物件や異常に好条件の取引内容を広告で出しておき、その広告を信じて来店した人たちに対して別の高額の商品や物件を販売するという方法です。
かなりの悪徳業者になると、最初から売る気がない物件・商品であるばかりか、それはもともと自社に所有権すらないような他人のモノであるにもかかわらず、あたかも自分たちのものであるかのように振る舞ったりするので注意が必要です。

景品表示法違反の例

おとり広告を規制する法律が「景品表示法」です。
これまで実際にこの景品表示法違反として取締を受けた企業サービスの例として、

・食肉ブランドを偽って、国産有名ブランド肉の料理を装って輸入牛肉を提供したレストラン
・天然ダイヤモンドをうたって販売していたが、実際には人造ダイヤだったアクセサリー会社
・果汁100%とパッケージ表示しておきながら、実際には60%程度しか天然果汁が使われていなかった飲料品メーカー

などがありました。
これらは実際にサービスは提供しているものの、サービスを受ける側の利益を大きく損なうものとして規制をしている例です。

他社製品よりも優れているように見せかける手口

景品表示法では他にもおとり広告の例として、他社製品に比べて自社のものが著しく優れているかのような誤解を与えるケースや、いかにもお得であるかのような表示をしているにもかかわらず全くそのような事実がないというものも規制しています。
他社製品が著しく優れていると誤認させる例としては

・他のパソコンには備わっていない能力が自社のものにだけあるかのような記載をしたパソコンメーカー
・他の学校に比べて高い進学率があると表示しておきながら、単に集計の方法が異なっていただけの学習塾

などがあります。
いかにもお得であるかのような誤認をさせるおとり広告の例としては、

・今だけ○%OFF!というように特別な割引をしているかのように表示していたが、実際にはオフ前の価格で販売した実績がなかった店舗
・競合他社に比べて非常に割安であるかのような比較広告をしていたが、実際の契約ではオプションなどをつけなければならず本当は割高であった通信会社などがありました。

結婚したい子供を持つ親を狙う詐欺

結婚情報サービス会社を装った詐欺

2012年10月に発表された国民生活センターからの公表によると、最近未婚の子供の結婚相手を探すサービスを持ちかけ、高齢者から多額の金銭をだましとる詐欺の手口が急増しているということです。
手口を簡単に説明すると、まず結婚情報サービス会社を装った営業社員から電話や訪問があり、そこでまず「未婚の家族はいますか?」と言葉巧みに探られます。
狙われるのは30代後半~40代くらいまでの未婚の息子や娘を持つ親で、以前から早く結婚相手を見つけて欲しいと強く願っている気持ちにつけこんでいきます。
いかにも希望に沿った結婚相手を見つけることができるような内容を相談され、ついついそこで詳しい説明をうけることを許諾してしまうとさっそく料金体系を説明されて契約を急がれます。

子供の意見も聞かず、契約をゴリ押しする

しかし説明は受けても実際に結婚をするのは子供の方なので、「まずは本人の意志を確認してからにしたい」と契約を待ってもらおうとするのですが、そこで「子供の結婚は親の義務です!」という不思議な理屈をゴリ推してきます。
さらに「無断で(結婚情報サービスの)契約をしても、最終的には本人の幸せのためになるのだから、感謝されこそすれ憎まれることはない」のようなことを言われ、結局契約をさせられてしまいます。
ところが、子供本人は親ほど結婚を焦ってはいないので「勝手に契約をするな」と怒って契約破棄を求めます。
そこでクーリングオフなどを申し出るも、そこでもまた「親の説得が悪いせいでそうなった」というような説教を返されるというのですから驚きです。
最近は少し落ち着いたふうでもある振り込め詐欺、オレオレ詐欺も、子供と密接なコミュニケーションがとれないまま、子供を思う気持ちだけが先走る親の親切心につけこむパターンが多くみられていましたが、この結婚情報サービス詐欺はその進化系と言えるかもしれません。

まずは子供の意志を確認しましょう

もしこのようなおかしな結婚情報サービスからの勧誘をうけたら、まずは何をおいても子供本人の意志を確認するようにしましょう。
たとえその結婚情報サービスが詐欺目的ではないよいサービス内容を提供する企業であったとしても、結婚をする本人の意志を無視して勝手に話を進めれるというのは子供にとってはありがたいことではありません。
万が一契約をしてしまったとしても、一定期間内であればクーリングオフや中途解約ができることが定められています。
契約解除をしようとしてトラブルが起きた場合にはもよりの消費生活センターなどに電話すれば相談にのってもらえます。

若者を狙うワンクリック詐欺の実態

ワンクリック詐欺とは

若者をターゲットとした悪質な詐欺方法の一つに、「ワンクリック詐欺」という手口があります。
ワンクリック詐欺とは、インターネット上でのサイトもしくはメールの文面を使って巧みに用意したURLへ移動をさせてそこでさも支払い義務が発生したかのように脅す方法が一般的です。
ワンクリック詐欺が出始めた頃には、単純に「このサイトにアクセスしたことで会員登録が完了しました、○日までに下記の料金を振り込んでください」というような、あきらかにおかしいと思える方法が取られていましたが、それでも追求を恐れて振り込む若者が多くいました。
最近では全体的なネットリテラシーが向上したことでこのような単純な手口は通用しなくなりましたが、代わりに非常に詐欺の手口が巧妙化してきた傾向があります。

最近のワンクリック詐欺では、フィッシング詐欺と呼ばれる信用性の高いサイトを装って大切なIDやパスワードを奪い取る方法や、もっと悪質な場合はハッキングツールをダウンロードさせてその人のパソコン履歴に残るデータを収集したりしています。

ただし、これらの特殊なツールや知識が必要な詐欺手口はそれなりに詐欺をする側に技術などが必要なので、実際に行われる詐欺の総数からみるとそれほど大きな割合をしているわけではありません。

よくある手口

ワンクリック詐欺として最も多いのが、こうした怖いイメージのあるツールをさも行ったかのように見せかける方法によるものです。
例えば、何か怪しいソフトをダウンロードしているかのような画像を表示させて、解除するためには振込が必要というように脅すような場合です。
ある程度パソコンの知識がある人にしてみると「何かがおかしい」と思える単純なものなのですが、あまり社会経験やパソコンの知識がない若者などはそれを信じて振込をしてしまうこともよくあります。

また、最近急増しているのがFacebookやTwitterを使ったSNSでチェーンメールを回してそこからURLに人を誘導させるという方法です。
一見普通の人のように平然とSNSにプロフィールを投稿し、サクラとして友人関係を築いたあと、おすすめなどとしてURLに導くような、かなり悪質な方法も見られるようになってきました。
人を見たら疑えというわけではないですが、顔の見えないインターネット上では、書き込み内容だけで相手のことを信用してしまうというのはかなり危険です。
あまり簡単に誘いに乗るようなことはせず、注意して使うようにしましょう。