お坊さんも信用できないかもしれません

昔は僧侶というだけで信頼されていたが…

一昔前までは、僧侶と言えば村や町の中でも一目置かれる、地域のまとめ役や相談役といった役割を担う人たちでした。
特に日本という国の歴史をみると、地域の中心には常に各宗派のお寺があり、国策として仏教徒であること前提の農業共同体が全国に出来上がっていました。
しかし時代が変わり、仏教以外の宗教を信じることも自由となり、農業中心の産業構造も崩れたことにより、地域の共同体の形もまた大きく様変わりをしてきました。
普段はほとんど意識をすることのない地域のつながりも、冠婚葬祭という人生の節目となる行事においてはどうしても関わりが必要でした。
ところが地域共同体の一体感が薄れていくにつれ、冠婚葬祭の手順や方法もまたそれまでとは全く違った方法がとられるようになってきたのです。

そんな社会的な事象を背景に目をつけた悪徳業者もいました。
紹介バチ当たりな所得隠しをした僧侶派遣会社たちの儲け方

葬儀会社による所得隠しの事件

これは2012年の6月6日に、首都圏にある僧侶派遣会社や葬儀会社が大規模な所得隠しを行なっていたことが明るみになった事件のまとめ記事です。
地方に住んでいる人にとってはまだ馴染みのない言葉かもしれませんが、最近は葬式を行う時には葬儀会社を通じて僧侶派遣会社から僧侶を都合してもらう方法がよくとられるようになっています。
上記の事件はその際にお金の流れを不正に操作することで起こりました。

「お布施」の取り扱い

この事件で問題となったのはそれまでのお葬式において曖昧な基準でやりとりをされてきた「お布施」の取り扱いです。
葬儀会社が葬式を開くという業務については、きちんとした見積りや手順など内訳が調べやすいのですが、葬式の場合式の当日に来てもらった僧侶に対して施主は「お布施」という名目で心付けを渡します。
このお布施は地域や宗派などその土地土地の風習や歴史などにより、必ずしも相場が決まっているものではありません。
その点をついて、葬儀会社は僧侶が受け取った金額を「紹介料」や「仲介料」という曖昧な名目として数字をごまかしていたのです。

時代の流れとはいえ、本来は亡くなった人の弔いの儀式をしていただいた僧侶に対しての心付けとして行われていたお布施が、不正会計に利用されるようになったというのは誠に残念なことです。
そのように考えると、それまで聖域のように扱われてきた世間的習慣などについても全く油断ができない状況になっているとも言えます。

次回はこの聖域である葬式に関連した悪徳業者についてもう少し詳しくみていくことにします。